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古典・古文のテスト・受験対策にもなるおススメ漫画

 



古典や古文を読むのはなかなか骨が折れますよね。現代とは違う言葉遣い、独特の言い回し。それらを覚えたらスラスラ読めるようになるかというと、なかなか難しいところがあります。

なんか難しいなと思っていると、古文の問題で点が取れなくなって成績が悪くなり、ますます古文が嫌いなってという悪循環に陥ってしまいます。

でも、もし古文の世界をマンガで読むことができれば、話の内容はわかるようになるし、当時の世界観もわかる。そして、何より古文が好きになって得点源になるかもしれません。

そこで、このページでは古典や古文のテスト・受験対策になるおすすめのマンガをご紹介したいと思います。


『あさきゆめみし』受験生必読書・東大生も読んだ古典漫画の金字塔


『あさきゆめみし』は「源氏物語」を漫画にしたものです。



「源氏物語」とは、紫式部が書いた世界最古の長編小説(諸説あり)で光源氏という光輝くばかりの美しい子を主人公にした平安時代の恋愛小説です。1000年以上もヒットしている大ベストセラー。「源氏物語」は、「徒然草」「枕草子」と並んで、受験問題にも出題頻度も高いことで有名です。


「源氏物語」の内容を非常に簡単にまとめると……

・幼いころに亡くした母親の面影を求めて数々の恋愛遍歴を重ねていく光源氏と光源氏に関わる女性の人生模様

・身分は高い+後ろ盾がないために、光源氏が直面するいかにも貴族らしい問題

などが描かれています。箇条書きにしてしまうととても味気ないですが、あっさりまとめるとこうなってしまいます。


私も学生のころ「源氏物語」の問題を何度か解きました。しかし、「源氏物語」は500名近くの人物が登場し、光源氏からその子孫までの70年あまりの出来事が描かれた長編小説。しかも、古文というのは主語が略されていることが多いので、状況から推測しないといけないことも多く、苦労しました。というか解けなかった……。そこで、あらかじめ源氏物語の内容にざっと知っておけば、テストでもなんとかなるかもと思い、図書館で源氏物語の現代語訳を借りてきたのですが、長いし、なんだか面白くないし、、、結局いやいや読んだものの全く頭に入りませんでした。


しかし、『あさきゆめみし』を読んで変わりました。初めて『あさきゆめみし』を手にしたきっかけは、面白いからと友達が貸してくれたからですが、借りたときは「源氏物語」を漫画にしたものだとは知らなかったし、読んでからもあまりの面白さにこれが「源氏物語」だとは思えませんでした。つまらん現代語訳と全く違う!!!今思うと、せめて田辺聖子さんのものを読めば第一印象が違っていたかもしれないのですが。


『あさきゆめみし』は、1979年に少女漫画雑誌「mimi」、のちに「mimi Excellent」で1993年まで連載されています。作者は、『はいからさんが通る』や『N.Y.小町』、『ヨコハマ物語』(私も全部読みました!)などの人気作を手掛けた人気大御所漫画家、大和和紀さん。


2016年には、画業50周年を記念して、記念画集が出版されています。漫画好きとしては、大和和紀さんの作品も紹介したいところですが、脱線するのでやめておきます。


『あさきゆめみし』は、桐壺帝と桐壺更衣(光源氏のお父さんとお母さん)の馴れ初めや光源氏と幼い紫の上の出会いなど、少々オリジナルの部分はあるものの「宇治十帖」を含む「源氏物語」54帖がおおむね忠実に描かれています。オリジナルの部分はいかにもドラマチックで少女漫画らしく、漫画として面白くするために必要な部分なように思えます。


源氏物語=浮気男の恋愛話、なんていう思い込みしかなかった私ですが、この漫画を読むと平安時代の人々の価値観、恋愛観、生活様式などが理解できるようになり、自然と源氏物語の世界観にどっぷりはまりました。今にも通じる男女間の葛藤や人間関係の複雑さがとてもリアルで、人って千年たっても変わらないということを改めて感じさせてくれます


光源氏の恋愛遍歴を言葉にしてしまうと、禁断の恋、浮気、不倫、戯れ、一途な恋、なんて陳腐になってしまうのですが、この世界観にどっぷりはまるとこういう一言では言い表せない情緒が漂います。また、光源氏と言えば、絶世の美男子・稀代の色男と言われていますが、この漫画を読んで光源氏の人間的な部分に触れると、それだけでは言い表せない奥深さを感じるようになります。


私が学生の時は、連載中だった『あさきゆめみし』ですが、今では受験生必読書とも言われているんですね! 確かに、この漫画を読めば、『源氏物語』の話の流れを理解できること間違いなし。義理のお母さん、義理のお母さんの姪、お兄さんの恋人、元恋人の子ども……(源氏物語を知っている人はどの人を指しているかわかりますよね?)あれだけ複雑な人間関係なのに自分で家系図や相関図を書けてしまうくらいしっかり理解できます。


それから、太政大臣、右大臣・左大臣、大納言、中納言なんていう男性の官職はもちろん、皇后・中宮・女御(にょうご)・御息所(みやすどころ)・更衣・女院など、天皇の后妃(奥様)たちや、典侍(ないしのすけ)、尚侍(ないしのかみ)など女官にいたるポジションにまで詳しくなれます。


友達に借りた後、自分でほしくなって既刊を揃えていきましたが、後日兄の本棚で『あさきゆめみし』を発見。少女漫画に興味がない兄も受験対策のために『あさきゆめみし』を買っていました。同じお家で重複して買ってしまった。。。ちなみに私の兄は東大文系。『あさきゆめみし』が受験に大いに役に立ってくれたそうです。


面白いので、一度読んだだけで結構頭に入ります。テスト対策としてはこれでばっちりなんですが、私の場合は、面白すぎてセリフを暗記するまで熟読してしまいました(笑)。

面白くてためになる漫画『あさきゆめみし』おススメです!


 あさきゆめみし




『ざ・ちぇんじ!』小学生から大人まで楽しく古典に親しめる漫画


『ざ・ちぇんじ!』は、平安末期に書かれた「とりかへばや物語」がベースとなっている漫画です。『花ゆめEPO』にて、1986年8月号から1988年9月号にかけて連載されていました。




中学生だった私が初めて読んだ平安時代のお話で、この本のおかげで、平安時代に興味を持つようになったり、入内(じゅだい)とか帝(みかど)とか乳母(めのと)とか、普段使わない漢字が読めるようになったり意味を知ったりするきっかけともなりました。作者は、山口直実さん。原作は、氷室冴子さん。


私の場合は、まず原作である氷室冴子さんの小説を読みました。当時、氷室冴子さんは、クラスメイトの間で人気で、当時は、読んでない子なんていなかったんじゃないかってくらい大はやりしました。『ざ・ちぇんじ!』は、文庫・単行本で134万部を記録しています。

 
小説が面白かったので、漫画の方も読んでみました。漫画家と原作者の組み合わせがばっちり!と当時から好評でしたが、漫画化しても原作のイメージそのままです。主人公をはじめ、元気な楽しい登場人物ばかり。軽快なテンポで話が進んでいきます。話の都合上出てくるちょっと悪い登場人物すらも憎めないキャラで、じめっとすることもなく、明るい気分にさせてくれる漫画です。


男として育てられた活発で賢い女の子と、女として育てられていた繊細で美しい男の子が主人公です。男女入れ替わって宮廷に出仕したものの、色恋沙汰に巻き込まれたり、バレそうになって危機に陥ったり……というドタバタコメディ。


高校生になってから、図書館で借りて「とりかへばや物語」の日本語訳を読みました。勉強のためなどでは全くなく、『ざ・ちぇんじ!』と「とりかへばや物語」ではどれほど違うのか興味があったから。平坦に書かれてある日本語訳で、そんなに面白いとは言えない読み物となっていましたが、目的とか興味があると不思議と読めちゃうんですね。挫折することなく最後まで読めました。
 

『ざ・ちぇんじ!』は、「とりかへばや物語」をベースにしたというよりもむしろパロディに近いかもしれません。基本的な人物の設定や身分、人物相関図は同じなのですが、話の流れが少し異なります。“少女小説 “としてふさわしくソフトな内容になっています。「とりかへばや物語」の方は、もう少しどろどろぐちゃぐちゃしています。


「とりかへばや物語」は、「源氏物語」「徒然草」「枕草子」など試験で最もよく見るメジャーな古典と比較すると出題率はそんなに高くないかもしれません。むしろ、「伊勢物語」や「更級日記」「蜻蛉日記」の方がよく出題されていたような印象です。しかし、頻度は高くないものの絶対出ないということはないと思います。私の場合、高校生の時「とりかへばや物語」が試験にでましたよ!『ざ・ちぇんじ!』で予習(?)していたので、ラッキーって思ったのを覚えています
 

元気いっぱいの主人公が大活躍する痛快コメディという感じなので、小学生からでも楽しめて、かつ平安時代に興味を持てるという、とてもいい作品だと思います。おすすめです。


こちらが気に入った方は、氷室冴子さん原作『なんて素敵にジャパネスク』もおススメです。当時はこちらの方が『ざ・ちぇんじ!』をはるかに凌ぐ大ヒットとなりました。2012年には、シリーズ累計発行部数は800万部を突破しています。


古典ベースではなくオリジナルストーリーですが、平安時代の文化や身分などが自然と学べる内容になっていて、氷室さんの平安時代に対する知識の深さを感じます。そして、主人公が元気いっぱい、自由で伸び伸び活躍しています。源氏物語の光源氏にイラっとするという方は、こちらの方が楽しめるかも?山口直実さん&氷室冴子さんのタッグも漫画で楽しめます。マンガ『なんて素敵にジャパネスク』。


小学生から大人までおススメできる小説と漫画です。読んだことのない方は是非!


ざ・ちぇんじ!




『とりかえ・ばや』さいとうちほ作・豪華絢爛な王朝絵巻


『とりかえ・ばや』は、平安末期に書かれた「とりかへばや物語」をアレンジした漫画です。『月刊フラワーズ』にて2012年9月号から2018年1月号まで連載されていました。




作者は、さいとうちほさん。小学館発行の女性向け漫画雑誌に連載を持つ人気漫画家で、活動歴が長く、その作品数は膨大!宝塚のファンというだけあって、華麗な絵柄とドラマチックなストーリーが特徴です。また、アニメ『少女革命ウテナ』ではTV版、劇場版のキャラクター原案や漫画化にも参加するなどジャンルを超えた作品も多く手掛けています。


基本的な設定は、「とりかへばや物語」がベースとなっており、宮中を舞台とした快活な少女と大人しい少年のお話なのですが、さいとうちほさんが書くとストーリーも描写もなんだか豪華絢爛な王朝絵巻となります。


『ざ・ちぇんじ!』の読者たちが、「とりかへばや物語」が漫画化されたということで、読んでみたという方も多いみたいですね。世界観も内容も全く違うので、両方読んでも楽しいです。『とりかえ・ばや』は、平安時代らしい、どろどろしたシリアスな内容となっています。もちろん、わかりやすくかかれているので、古典は苦手な方でも全く心配ありません。

 超豪華な衣装や御殿、複雑な人間ドラマを堪能できる『とりかえ・ばや』おススメです。


とりかえ・ばや




入試頻出出典「落窪物語」の漫画化『おちくぼ』


『おちくぼ』は、平安末期に書かれた「落窪物語」がベースとなっている漫画です。作者は、『ざ・ちぇんじ』と同じ山内直実さん。『別冊花とゆめ』2015年1月号〜2018年7月号まで掲載。途中で、『マンガPark』へ移籍しています。個人的には、もっと読みたいなと思っていましたが、全6巻で完結しました。





美しい姫君がいじわるな継母にいじられる、という内容から「和製シンデレラ」ともいわれる『落窪物語』。原作が書かれたのは、平安時代末期、10世紀末頃とされています。

美しい容貌を持つ主人公の落窪の姫君が、継母からのいじめにあい、畳の落ち窪んだ狭くてみすぼらしい部屋に住まわされる(そしてそれが名前の由来となる)、まさにシンデレラのようなお話。


山内直実さんらしく、軽快なテンポで話が進んでいきます。話の都合上必要な悪役、継母なども登場しますが、基本的には、カラッと明るい気分にさせてくれる漫画です。山内直実さんの作品は、元気な主人公が描かれていることが多いですが、ベースが「落窪物語」なので、大人しくて優しい落窪の姫君が主人公。その代わりに、幼馴染のあこきが明るく元気に頑張ってくれます。
 

『ざ・ちぇんじ!』同様、小学生から大人まで楽しめるストーリーだと思います。基本的には勧善懲悪で、すかっとするものいいですね。


小学生なら、ストーリーを楽しみつつ、自然に平安時代の文化や用語が学べると思います。もう少し大人になったら、舶来シンデレラとは違う、一夫多妻制とか、通い婚、母方の血筋(女系)が強く意識されていた背景、縁談事情など、平安時代の家族観などに注目して読むと面白さがアップします。


今も昔も人気のシンデレラストーリーは、入試でも人気のようで、「落窪物語」は入試頻出出典とのことです。『おちくぼ』を読んでおけば、勉強も楽しくはかどるのではないでしょうか?
 「東大国語」2021年度東大入試分析 - Z会 東大・京大受験対策サイト


 楽しいストーリーで勉強にもなる和製シンデレラ『おちくぼ』おススメです。

おちくぼ





“逃げ恥”の海野つなみ作『後宮』・セレブ暴露本「とはずがたり」を漫画化


『後宮』は、後深草院二条の「とはずがたり」を漫画化したものです。2005年から2007年にかけて『Kiss』で連載されていました。全5巻。




作者は、海野つなみさん。海野つなみさんと言えば、ガッキーの“逃げ恥”。新垣結衣
さんが主演し、社会現象クラスとなった人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の原作者です。


“逃げ恥”は、2015年に第39回講談社漫画賞(少女部門)を受賞、2020年9月時点で累計発行部数は420万部を突破しています。

 “逃げ恥“の作者さんが漫画化した古典ということで、読んでみました。


ベースとなっている「とはずがたり」(とわずがたり)は、鎌倉時代の中後期の私小説。しかし、作者が本当に実在する人物かどうかや、その内容がどこまで本当なのかは明らかになっていません。

私小説形式のフィクションの可能性もあるんですね。また、「とはずがたり」とは「誰から問われたわけでもないけれど、自分の身の上話を語ろう」という意味を込めたタイトルなのですが、これは作者自身が付けたものではなく、執筆されて300年以上経ってから、写本に対して霊元院(1654年〜 1732年)が名付けたものだそうです。


京の都の貴族が主人公ですが、舞台となっているのは、貴族全盛期であった平安時代ではありません。貴族たちの生活は未だ華やかなものの政治・経済の基盤を少しずつ失い始めた鎌倉時代。主人公は、後深草院に仕えた女房で、家柄と容色と才智に恵まれた姫君です。「二条」と呼ばれますが、本名ではありません。


前半は、二条が、14歳で後深草院の御所に出仕してからの恋愛遍歴が描かれ、後半は、出家して尼となった二条が、東国・西国と様々なところへ行ったという旅の記録となっています。


さらっとあらすじだけ書くとふ〜んという感じですが、実際に読んでみると昼ドラ顔負けの愛憎劇。今とは道徳観念が違うのかもしれませんが、愛と欲にまみれた登場人物たちの奔放さにたじろきます

しかも、後深草院に仕えるくらい身分が高い二条が主人公なので、その相手も豪華キャストです。これがもし本当だったとしたら、公開して大丈夫なのかなとちょっと心配になるくらいの宮廷スキャンダル。現代においては、ちょうどセレブの暴露本にあたるかもしれません。実は、「とはすがたり」は鎌倉時代に書かれたにもかかわらず、昭和13年に「発見」されたという謎がある作品で、もしかして差し止めになっていた時期でもあったのかと勘ぐってしまいます。


ベースとなった原作の内容はドロドロですが、『後宮』は海野つなみさんのかわいい絵とギャグでオブラートに包まれた少女漫画となっています。しかも、古典や歴史に詳しくなくても大丈夫。その当時の政治背景や宮廷事情など、わかりやすくかかれているので、むしろ読むと自然と勉強できるのではないでしょうか。ちょっとした女版光源氏のようなところも感じられます。源氏物語大好きという方には、おすすめです。

オブラートいらん、ドロドロ大好き!という方には、「とはずがたり」の世界をしっかり感じられる日本語訳をお勧めします。


残念ながら「とはすがたり」はそれほどメジャーな古典ではない気がします。私の経験では試験にでた記憶もなく、試験によく出るという話も聞きません。しかし、ノーマークだということでその裏をかいて出題される可能性もあるのでしょうか?

試験はさておき、この衝撃的な内容が、700年前の鎌倉時代に日本で書かれた “古典文学”である事実こそ“衝撃的”な「とはすがたり」。漫画で楽しく『後宮』を読めば、きっと古典に興味が湧いてくることだと思います


後宮



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