気に入った著者の作品を全部読んでみる
本を読んで面白いなと思ったとき、関連する分野の本を複数読んでみる、ということを「興味の幅を広げる」という記事を書きました。
その関連として、気に入った著者の作品をすべて読むというのもおすすめの方法です。
私もこの方法をよくやるのですが、小説などで「この人の本は面白いな」と思ったら、同じ著者の別の作品を読んでみます。ノンフィクションやビジネス本なども、この方法で読むといいと思います。
時間とともに著者の作風が変わる場合があり、自分とは合わなくなってしまう場合はやめますが、たいていの場合は、また「面白い!」という感動を味わうことができます。
その著者が作る作品に対して、あらかじめ積極的な期待を持って臨めるようになるので、集中力や吸収力も変わるような気がします。
自分にとって新しいテーマであっても興味深く読めると思います。その作品のおかげで、新しい分野に対する興味や関心が生まれ、新たな扉が開くこともあるのではないでしょうか。
そうやってその人の作品を全部読むと、本棚が一段丸々その人の作品で埋まることもよくあり、達成感に似たような感覚をいだくこともあります。
私の一例を挙げると、塩野七生さんの「ローマ人の物語」で、上記のような本の選び方をしていきました。
この本では、歴代のローマ皇帝を軸に、ローマの起源から滅亡までが描かれています。
この本を読んで、一つの国の発展と衰退を見つめることができたのは非常に興味深かったです。今の日本の政治と重なり合う部分が非常に大きく、ニュースの見方や新聞の読み方ががらっと変わりました。
また、カエサルやアウグストゥス、五賢帝など、歴史上に名を残す人物を通して、人間への理解が深まったことは大きかったです。世の中の人間とは、どういう生き物なのか、どういった反応を示すものなのか、ということへの理解が深まった気がします。
この著者の文体も力強くて面白く、このシリーズは一気に読破しました。そして、マキャベリやベネティア共和国をテーマにした作品も書かれていましたので、それらも全部読みました。
おかげさまで、かなりいろいろなことを知ることができたと思います。また、興味の幅も広がったように思えます。
もし、これは!と思う作品に出会ったら、その著者の作品を読んでみてはいかがでしょうか。
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