[レビュー]名作野球マンガキャプテンはリーダーシップが学べて読む手が止まらない

 
野球漫画『キャプテン』。連載終了してから40年近くたった今でも、続編の連載が開始されたり、小説化されたりするなど、根強い人気を誇る名作野球漫画です。

当時小学生だった私は、兄の本棚で『キャプテン』を偶然見つけたのですが、読み始めたら止まらなくなって夢中で読んでしまいました。アニメもリアルタイムで視ていましたので、今でも主題歌、名曲「君は何かができる」歌えます!

純粋に面白いというのはもちろん、この作品には、頑張る全ての人への応援メッセージがたくさん詰まっています。

これからこの作品を読んでみよう、アニメを見てみようという方のためにも、ネタバレしないように気を付けて書いていますので、『キャプテン』お勧めの理由について是非読んでみてください!



名作野球漫画『キャプテン』ちばあきおさん作



昭和野球漫画の名作『キャプテン』。昭和といっても、派手な必殺技や魔球とかはでてきません(あっ、でも特訓マシーンが出てきます)。きらきらした美男美女も才能にあふれる超人もでてきません。


『キャプテン』は、1972年2月号から1979年3月号まで『月刊少年ジャンプ』(別冊少年ジャンプ)に連載されました。作者は、ちばあきおさん。『あしたのジョー』『あした天気になあれ』の作者ちばてつやさんはちばあきおさんのお兄さんです。兄弟で昭和を代表する漫画家なんですね!!!ちばあきおさんは、『キャプテン』と続編『プレイボール』の二つの作品で、第22回(昭和51年度)小学館漫画賞(少年少女部門)を受賞しています。

小学館漫画賞:歴代受賞者


登場するのは、主人公をはじめ、私たちの周りにもいそうな等身大の登場人物ばかり。野球部員の練習や試合といった日常を描いた漫画です。また、野球部でなくても学校生活で経験した「こういうことあるある!」「こういうこと言われたこと/されたことあるある!」なんて思うことも多く、リアリティがあります。そのため、つらいシーンとか直接的なセリフなどは胸に刺さってくることもありますが、それでも面白いと思って読み進んでいけるのは、愛嬌がある登場人物のおかげかもしれません。


ストーリーが面白いのはもちろんですが、同じくらい魅力的なのは絵柄。ちばあきおさんの漫画は、優しい線が特徴です。人物もバットもボールも、建物だって、ちばさんが描くものはすべて柔らかい質感に変身します。登場人物たちのセリフはもちろんですが、場面全体から受けるちばあきおさん作品の独特の空気観、時間軸もあって登場人物たちの魅力がますますアップします。


物語は、谷口タカオが、墨谷二中に転校し、野球部に入部するところから始まります。野球の名門・青葉学院の野球部からの転校生ということで周囲の注目をめちゃくちゃ浴びてしまうのですが、実は……。気になる続きは、ぜひぜひ原作を読んでくださいね。




名作野球漫画『キャプテン』の人気の秘密は?



私は、『キャプテン』の人気の秘密は、読者が身近に感じられる人をテーマに描いているからだと思っています。どこにでもいそうなのに、実際に探してみるとあまりいない、野球が大好きな登場人物のひたむきな姿に誰もが夢中になってしまうのではないでしょうか?


『キャプテン』の登場人物と同じくらいの年ごろでは、どことなく「頑張ることがかっこ悪い」なんていう風潮が流行ることがあるように思います。努力して失敗したらかっこ悪いからそれなら最初からやらない方がいい、なんて思ってしまうのは、結局、努力から得られた達成感や喜びなどを経験したことがないのが問題なのかもしれません


身近に何かに夢中になって打ち込んでいる人がいる、努力して成功したお手本がいるなど、自分でなくても疑似体験ができれば、こういった斜に構えた考えの方がかっこ悪いと言えるようになると思うのですが、生まれてから10年ちょっと、物心ついてから10年そこそこの子どもたちでは、疑似体験すら少ないかもしれません。


『キャプテン』の登場人物をみていると、友達を見ているような気持になります。そして、夢中になれるものを持っている友達を尊敬したり、うらやましく思うようになったりします。自分の好きなものに一生懸命打ち込む友達の姿に心から感動して、応援したくなります。また、自分と似たような登場人物を見つけて、その人になった気持ちになり、悩んだり、苦しんだりします。そして、何かをやり遂げたときは、自分のことのようにうれしくなったりします。


登場人物たちが身近に感じられる分、登場人物の気持ちが深く心に刺さってくるのかもしれせんね。

もし、将来中二病に罹かりそうなお子さんがいたら、早めに『キャプテン』を勧めておいたら病の予防になるかも (笑)。とはいえ、今は令和の時代。頑張っている姿を応援したいと思う反面、ケガするまで無理しないでほしいと思いながら読んでしまうのは、私が親になったからでしょうか。



『キャプテン』リーダーシップについて学べる漫画



『キャプテン』は、純粋に面白いというのはもちろん、キャプテンとは、リーダーとは何かについて考えさせられる漫画だと思います。


『キャプテン』の主人公は、墨谷二中のキャプテンたち。一人の主人公を中心に物語が進んでいくのではなく、主人公が野球部引退後(卒業後)、キャプテンの代替わりで主人公も交代していきます。谷口タカオは初代キャプテン。その後、丸井、イガラシ、近藤がキャプテンとなって物語が進んでいきます。ひとりの選手にスポットライトを当て、その人に沿って舞台が変わるのではなく、あくまで主役は、『キャプテン』。舞台は、墨谷二中です。


漫画ではあまり他にはない珍しいスタイルですが、どちらかというと世の中のシステムはこっちの方。リーダーは常に交代していきます。どんなに優れた社長や監督でもその任務を降りてしまったら、頼ることはできません。


交代する場合、次のリーダーになるのは、リーダーシップを持っていて、仕事ができて、人格者で、周りの状況もよく見えて…………なんていう人が理想的です。しかし、いつもすべての面で優れた人ばかりがリーダーになるわけではありません。大抵は、リーダーが抜けた集団の中から新しい人を選ぶということが多いのではないでしょうか。一番年上だから、一番所属歴が長いから、一番仕事ができるから、などの理由で選ばれた新しいリーダーと頑張っていく、もしくは自分がリーダーになるなんてこともあるかもしれません。


『キャプテン』の主人公たちも、リーダーが抜けたチーム中から選ばれたキャプテンです。キャプテンの性格や野球の技術もそれぞれ。現チームのなかのベストとして選ばれているわけですが、欠点だって持っている“普通の人”です。必ずしも、うまいわけで選ばれたわけではなかったり、人格者だから選ばれたわけでもなかったりします。そういった“普通の人”が、試行錯誤したり、悩んだり、時にはチームメイトとぶつかり合ったりしながら、リーダーへと成長していくところ。失敗だってたくさんします。そういうところも、非常にリアリティがあって、どんどん引き込まれていきます


「そんな風に頑張ったら、みんなわかってくれるよね」

「そういうやり方は、まずいんじゃないかな?」


うんうん、いやいや、なるほど、そうか〜。自分がリーダーになった場合、どんなふうにチームを引っ張っていけばよいか、みんなと同じ目標に向かって、協力しながら成果を出すためにはどんな方法がいいのか、などなど……ふと気が付いたら、真剣に考えている自分に気が付きます。


『キャプテン』では、キャプテンたちがそれぞれ努力した結果、チームがいい方向へ向いていくようになります。また、それぞれ違うキャプテンが率いることによってチームの個性がでてきます。そういうキャプテンたちの姿を見ていると、失敗してもやり直せばいいんだ、努力したら成果がでるんだ、自分らしく頑張ればいいんだ、と前向きな気持ちになります


 『キャプテン』は、スーパーマンでない普通の人が、リーダーになるための秘訣・勇気がつまっています。いきなりリーダーになっちゃってどうしよう、これからリーダーになりたい、と考えている子どもから大人まで、前向きに頑張ろうと思えるようになる漫画『キャプテン』。おススメです。



2020年『キャプテン』アニメ化40周年・イチローもはまった野球アニメ



『キャプテン』は、アニメ化もされています。1980年4月にアニメ第1弾となるスペシャル版が放送されるとテレビ局に手紙が殺到したとのこと。その反響を受けて、その年夏にスペシャル版の第2弾が放送されました。さらに、1981年、1本の劇場版が公開。そして、1983年からテレビアニメシリーズが全26回で放送されています。


さらに、初回放送から35年後、2015年には、Blu-ray化され、コンプリートBOXとして特典付きで発売されています。こちらには、劇場版とTVシリーズ全26話が収録されています。


あのイチロー選手もオリックス・ブルーウェーブ入団の際にテレビシリーズビデオ全巻を寮に持ち込んだそうです。当時はまだビデオの時代。それにしてもビデオ全巻とは、結構なスペースをとったでしょうに (笑)。イチロー選手も『キャプテン』を視て、野球を頑張っていたのでしょうか?


アマゾンプライムでも、TVシリーズ全26話を視聴することができます。


『キャプテン』を毎週楽しみにしていたのが、もう40年も前だなんてちょっとびっくりです。
何度見ても感動できるアニメ『キャプテン』。おすすめです。



卒団式のBGM&スライドショーにもおススメ・感動して泣ける曲・「君は何かができる」



名作キャプテンの主題歌と言えば、「君は何かができる」。奥深い歌詞とその歌詞にぴったりのなメロディーが心に響く名曲です


私もリアルタイムでアニメを見ていたので、今でも主題歌「君は何かができる」歌えます。


甲子園のテーマソングとしてこれほどふさわしい曲はないと思うのですが、「君は何かができる」を甲子園で聴いたことはないですね。アニメの初回放送から40年も経ってしまったので、今の学生さんたちは、残念ながら知らない人が多いのでしょうか?


「君は何かができる」は、子どもたちの応援歌にぴったりの曲。


うちの子も部活動をしているのですが、もし、卒団式のBGMやスライドショーなどでこの曲が流れてきたら、感動のあまり涙腺が崩壊してしまいそうです。


曲や歌手は知っていても、普段は作詞家作曲家の方に目を向けることは少ないもかもしれません。しかし、これだけの名曲だけあって、「君は何かができる」は超有名作詞家作曲家のお二人が手がけています!昭和の大ヒットメーカー!!


作詞は、山上路夫さん。作曲は、木森敏行さんです。お名前は知らなくても、作詞作曲された曲を聞けば誰もが「ああ!!」と思うのではないでしょうか?昭和生まれの私たち世代はもちろん、平成生まれのうちの子も音楽の授業やテレビなどで知っている、聞いたことある曲がいっぱいです。


山上路夫さんが作詞されているのは、「世界は二人のために」、「翼をください」、小柳ルミ子さん「瀬戸の花嫁」、アグネス・チャンさん「ひなげしの花」、野口五郎さん「私鉄沿線」、ゴダイゴ「ガンダーラ」などなど、数々の有名ヒット曲を手掛けています。また、テレビドラマ『水戸黄門』主題歌「ああ人生に涙あり」も山上路夫さんが作詞。


木森敏行さんの代表作は、岩崎宏美さんの「聖母たちのララバイ」。また、キャプテン以外にも数々の映画、アニメの主題歌の作曲を手掛けています。そしてなんと、あの「欽ちゃんの全日本仮装大賞テーマ」木森敏行さんが作曲です。


このお二人が手掛けているだけあって、「君は何かができる」は一味も二味も違います。夢がかなうとか、やればできるとか、君はすごいとか……そんなありきたりで薄っぺらいメッセージは決して込められていません。


大事なことは、勇気を出して自分を試すこと、そして、頑張れは誰もが“何か”ができるというメッセージ。そのメッセージにぴったりの真っ直ぐで清々しいメロディが、頑張っている子どもたちの姿とぴったり重なります


さすがに、昭和の名曲は奥が深いですね。


聴けば必ず、「きっと何かができる」と勇気がでてきます。子どもたちだけでなく、頑張る全て人に向けた応援歌なのかもしれません。知らない方は、是非一度聴いてみてくださいね。




『キャプテン』の続編『プレイボール』と『プレイボール2』・小説版『キャプテン』



『キャプテン』の4人の主人公、それぞれ魅力的ですが、作者の思い入れが大きいのは、やはり最初の主人公の谷口タカオだったのでしょうか?それとも、谷口タカオが読者に人気だったのでしょうか?


『キャプテン』の続編『プレイボール』は、谷口タカオが主人公です。『キャプテン』を読んで、谷口タカオが好きになった読者はその後が心配で『プレイボール』を読まずにはいられないかもしれませんね。うちの兄もその一人だったようで、『キャプテン』の隣に『プレイボール』が並んでいました。もちろん、私も読みました。


『プレイボール』は、「週刊少年ジャンプ」にて1973年から1978年にかけて連載されていました。コミック累計発行部数1,300万部。


アニメの製作年は2005年で、なんと連載最終回から27年後にアニメ化です。根強いファンが多いことがうかがえますね。


残念ながら、ちばあきおさんの『プレイボール』は、ちばさんが若くして亡くなられたので、未完となってしまいましたが、なんと連載終了後、約40年後の2017年『プレイボール』のファンでもあったコージィ城倉さんによって連載がスタートしました!


絵柄の再現度など『プレイボール』に対する並々ならぬ愛情と尊敬の気持ちが感じられます。


さらに、2017年には、学研「部活系空色ノベルズ」より、小説版『キャプテン』が発売となりました。谷口編『キャプテン 君は何かができる』、丸井編『キャプテン 答えより大事なもの』に続き、イガラシ編『キャプテン それが青春なんだ』が小説として読むことができます。


読んだことない方はぜひぜひ一度!既に知っている方はもう一度読んで、元気と感動と知恵をたくさんもらってくださいね。


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