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読書は健康寿命を延ばす効果がある

 

読書は知識や教養を深めるだけでなく、健康寿命にも深い関係があることが最近わかってきました。

読書をするだけで元気で楽しい老後が送れるなんて素敵ですね。では、いったいどういうことか詳しく見ていきましょう。




AIの研究で読書と健康寿命に関係があることがわかってきた


NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ日本」という番組で、健康寿命と読書の関係が取り上げられていました。

健康寿命とは元気で何歳まで過ごすことができるかという数値です。死ぬまでの寿命と健康寿命との差が小さいほど、元気で楽しく生きる時間が長くなります。長生きできても、老後に病気で苦しい時間を過ごすのは避けたいですよね。少しでも健康的な人生を送りたいものです。

この番組では、 NHKが開発したAI(人工知能)を使って、健康で長生きするための方法を探るという内容でした。

65歳以上、45万人以上の高齢者に生活習慣や行動に関するアンケートをとり、健康で楽しく過ごしていると回答した人とそうではない人との違いをAIが解析し、健康的で老後も元気な人の秘密を探りました。

その結果、本や雑誌をよく読む人は健康寿命が長いという結果が得られました。

健康で長生きするためには、しっかりと栄養を摂って、適度な運動もするということが大事だとばかり思っていたので、ちょっと意外な結果でした。

関連サイト:NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ日本」



本を読むことに関係する動きが重要?


番組の中では健康で読書習慣のある高齢者の方へのインタビューが取り上げられていました。

その中で健康寿命が長くなることに関係ありそうだなと思ったのは以下の3点です。


1.図書館に通って本を探す。
2.本を読んで旅行など、行動に移す。
3.過去のことを思い出すなど脳を使う。


まず、図書館に通って本を探す、という点についてですが、図書館に来るまでに自宅を出て歩いたりバスに乗ったりすることで体を動かすことが、良い運動になるのかなと思いました。また、図書館の中で読みたい本を見つけるために歩き回るのも、足腰が鍛えられて体に良いのではと思いました。





また、歩きながら本を探していると、頭の中でいろいろ考えるというのも脳の活性化につながるのかもしれませんね。内容を想像しながら歩き回れば、体に良さそうです。


2の「本を読んで旅行など、行動に移す」というのは、何か面白い本を読んだり、旅行のガイドブックなどに目を通して「行きたいな」と思ったら、実際にその場所に行ってみるということです。これも、1と同じで体を動かすということにつながっているように感じました。


また、旅行を計画する段階で、いろいろ頭を使って考えたりホテルや車の手配をするのも良い結果につながりそうです。実際に旅行をしているときも、現地でおいしいご飯を食べたり、楽しい体験をしたり、美しい景色に心を奪われたりなど、多くの刺激を受けるのも良さそうですね。





本を読んで行動に移すというのは、頭と体すべてを使うことにつながり、健康寿命を伸ばす効果がありそうに思いました。


3の「過去のことを思い出すなど脳を使う」というのも、認知症の予防につながりそうだと感じました。たとえば、旅行記などを読んで、「そういえば昔、自分も行ったことがあるな。あのときは楽しかったな。」などと思いだすことで、脳の活性化につながりそうです。


他にも主人公の気持ちを想像しながら読んだり、いろいろ想像力を働かせながら読書を進めることが、認知症の予防につながる効果が出るのかもしれませんね。


最初、読書と健康寿命には関係があるというのは意外な結果でしたが、読書に付随する行動を紐解いていくと、確かに健康寿命を延ばす効果がありそうだなと考えさせられました。




小さい頃の読書習慣も大切かもしれない


番組では、健康寿命が長い県と公立小学校への司書の配置率との関係も紹介されていました。

日本の都道府県の中で、健康寿命が一番長い県は山梨県です。その山梨県は公立小学校の司書の配置率が98%と全国一です。

戦後早いうちから、学校へ司書を配置するなどの政策がとられていたようで、小さいころに本を読むという習慣がついていると、大人になってからも本を読むことが身についており、それが健康寿命の延びとも関係しているのではないか?ということが紹介されていました。


関連資料:健康日本21(第二次)の進捗状況 (厚生労働省)
     学校図書館の現状調査 (文部科学省)
     健康寿命の全国推移の算定・評価に関する研究 (大学病院医療情報ネットワーク研究センター)


確かに一理ありそうだなと思ったのですが、健康寿命が2位の埼玉県や3位の愛知県は司書の配置率がそれぞれ55.1%と47.8%であり、それほど高くありません。ですので、必ずしも小学校への司書の設置率との因果関係は大きくはなさそうに思います。





ただ、子供のころに身についた習慣というのは大きくなっても生きてくると思いますので、小さいうちに読書の楽しさに目覚めておくと、年を取ってからもたくさん本を読んで、知的な刺激を受けながら体を動かすということにつながり、健康寿命が延びるという効果が出てくるのではないかなと思います。



海外の研究でも寿命を延ばすという結果が得られている


読書と寿命の関係を調べた海外の研究もあります。

「Association of book reading with longevity.」という論文によると、3635人を対象に調査を実施したところ、本を読む人は全く本を読まない人よりも平均で2年長生きすると、という結果が得られました。

論文はこちら:Association of book reading with longevity. (NCBI)


AIによる研究や海外の研究結果からも、読書は寿命を延ばすという点でいい効果がありそうですね。少しでもたくさんの本を読んで、健康で長生きしたいものです。