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読書によって言葉が増え、意思疎通ができ、理解可能な世界が広がる

 


タイトルにあるように、読書をすると自分の中で言葉(ボキャブラリー)を増やすことができます。
言葉が増えるといっても、浅いレベルの増え方から高いレベルのものまで、かなり幅のある奥が深い世界が広がっています。読書をして言葉が増えた気になっていても、実は浅いレベルのままとどまっていては、読書の本当の効果を引き出したとは言いがたいです。より深い意味で言葉を増やすことが重要といえます。では、言葉が増えるとは一体どういうことでしょうか。このことがわかると、読書をすることの意味がより深く理解できるのではないかと思います。


言葉が増える段階としては、次の3つのステップが考えられます。



1つの言葉を見ても、実に様々な使い方があり、いろいろな意味や感じ方が存在します。大事なのは、まず言葉そのものの意味を把握してイメージできることであり、次にその言葉の持つ周辺世界を掴むことになります。これらがすべて自分のものとなると、理解できる世界というのがものぐっと広がります。そして、読書というのは、そこに書かれている言葉を自分の物として身につけ増やすことで、理解できる世界が広がっていくという素晴らしい効果があるのです。


では、上に述べた4つの段階を具体的に見ていきたいと思います。


言葉を全く知らない段階


1.の全く知らない段階というのは、初めて聞く言葉であったり、聞いたことがあったとしてもイメージがほとんどできない段階の言葉になります。日本人の大人で日本語で生活していれば、あまりこのような言葉というのは少ないかもしれません。しかし、子どもの頃を思い返せば、そのような知らない言葉というのは、たくさんあったという記憶が思い出されないでしょうか?それらの言葉がいつの間にか理解できるようになったとは思いますが、初めて聞いたときは「?」となったかと思います。




よくあるのは、お相撲さんが横綱に昇進する際に述べる挨拶での四字熟語などがわかりやすいと思います。たとえば貴乃花の横綱昇進時の挨拶では「不惜身命」という言葉が用いられました。この言葉の意味がわかりますでしょうか?なんとなくがんばるんだなということはイメージできても、その意味を正確に言葉としては表現するのはなかなか難しいですね。また、実際に使ったことも聞いたこともほとんどないという方が、多くを占めるのではないかと思います。


このように言葉には、「?」となったり、思わず聞き返したりするくらい全く知らない段階というのがあります。



知ったつもり、聞いたことがあると思える段階


2.の知ったつもり、聞いたことがある、と思える段階の言葉というのは、まだ本当の意味では自分の中の言葉としては定着しているとはいえないものになります。このような言葉というのは、実はとても私たちの周りに多いのが現実です。




例えば、「パレスチナ」と言葉を考えてみましょう。この言葉は多くの人が聞いたことがあると思います。新聞やニュースなどでも取り上げられることが多いですね。よく聞いたことがある分、なんだかわかった気になっていないでしょうか。なんとなくイランとかイラクのあたりだよな?、などといった理解の方が多いのではないかと思います。


では、もう少し突っ込んで考えてみましょう。パレスチナとは具体的にはどこからどこまでが該当するのでしょうか?そして、どうしてパレスチナがニュースに取り上げられることが多いのでしょうか?さらに、アラブ人とパレスチナ人との違いは何でしょうか?


これらの質問に答えられるでしょうか?途端に難しくなってしまいましたね。知っていたようで実は知らなかったことが感じられたのではないかと思います。これが、1.の知ったつもりになっている、聞いたことがあると思える段階です。なんとなくのイメージでとどまっている段階の言葉です。


言葉にはそのものが指し示す意味とそれに付随した周辺世界があります。直接の意味もまだ少しあいまいで、その周辺世界については理解があまりできていない段階になります。



言葉が示すイメージが具体的に思い浮かべられ、理解できる段階


次の段階としては、言葉の持つイメージも浮かび、意味もしっかりと理解できている段階です。理解できているので、自分でその言葉を使って発信することができます。


簡単な例でいうと、「太陽」という言葉で考えてみましょう。この言葉が意味するものはイメージできますよね。青い空に浮かぶ赤く輝く太陽のことです。春は温かい日差しが感じられ、夏場にはじりじりと焼き付けるような暑さがイメージできます。そして、あの人は私にとって太陽のような存在だ、と表現されれば、その人をとても温かな気持ちにさせ、光輝くばかりの存在感を持った人であることが想像できるでしょう。




太陽の場合には、実体があります。まずその実体のイメージが思い浮かべられ、かつそれが放つ温かさや熱さ、色といったものを思い浮かべることができます。そして、「太陽のような存在」というように、その言葉を使った様々な表現を理解し、意味するところを正確に汲み取ることができます。ここまで来ると、言葉としての理解度は十分なものといっていいのではないかと思います。


抽象的な言葉や実体のない言葉であっても同様です。言葉そのものが指し示す意味とそれに関連する表現や意味が理解しイメージできるようになれば大丈夫です。


知らなかった言葉でもこのような段階に達することで、理解できる幅が広がることがわかると思います。


言葉が増えることは、意思疎通の幅が増え理解できる世界が広がること


先ほどの太陽の例の話をもう一度考えてみましょう。太陽という言葉を知っているけども、「太陽のような存在」という意味がわからなかったとします。言葉としては聞いたことがあるが、意味はわからない状態にあるということです。このとき、もし友達に恋愛をしている人がいて、「今の恋人は自分にとって太陽のような存在なんだ」と熱い気持ちで語られても、友達の気持ちを理解することは不可能でしょう。この会話の中では「太陽の存在」という言葉が、友達の気持ちを理解する上で一番ウェイトを占めているからです。つまり、友達と意思疎通ができていないことになります。
もし、「太陽のような存在」という言葉の意味を知っていれば、「あぁ、素敵な恋人なんだな。その人のことが大好きなんだな。」ということを理解することができます。


同様にパレスチナという言葉も上述したような中途半端な理解であったとします。パレスチナと言う言葉の意味を少しでも調べ、その周辺知識を固めてしっかりと理解ができていれば、パレスチナの抱える問題やそこで起こっている事件を深く理解できるでしょう。ニュースや新聞で書いてあることがわかり、これから起こることなどを予測することもできるかもしれません。逆に、聞いたことがあるレベルの段階でとどまっている限り、理解できる世界はひどく限られたものになってしまうでしょう。





このように言葉を深いレベルで知ることによって、人の気持ちを理解したりコミュニケーションの上における意思疎通の範囲が広がります。とても大事な存在であることを「太陽のような存在」と表現することができれば、単に「大事な人」と表現するよりも奥の深い意味のある内容を伝えることができるのです。もし、この言葉を知らなければそういったことは不可能です。


また、1つの言葉の意味をよりはっきりと理解することによって、理解できる世界が広がります。知らなかった世界が見えるようになるといってもいいでしょう。これらの効果は、言葉を知り、自分の中でボキャブラリーが増えることによって初めて可能になります。


そして、言葉を増やすためには読書が最適なのです。読書をする際に言葉を増やすことを意識して読むと、幅が少しずつ広がっていくことでしょう。